二重生活

映画

理由なき尾行「二重生活」

『二重生活』 2016年公開


二重生活


サブタイトル
理由なき尾行、はじめました。

岸善幸(きしよしゆき)監督
 学生時代に8mm映画の製作などを行う。
 ADやバラエティを経て、その後ドキュメンタリーなどを手掛ける。
 「二重生活」ではそこにいるという感覚を大切にするため
 長回し(カットせずに長くカメラを回し続ける技法)に
 こだわったのだとか。

原作:小池真理子
 1995年『恋』で直木賞受賞。
 多くの作品がドラマ化・映画化されている。
 映画では「欲望」「無花果の森」「無伴奏」など

「二重生活」の概要


アニメーターの卓也と大学生の珠は同棲中。
ある日、珠は大学教授の篠原から課題をだされる。
論文の為に近所に住む石坂を尾行していく。

尾行するうちに珠は石坂の秘密を知ってしまいます。
そしてとうとう尾行している事がバレてしまう。

登場人物


白石珠(門脇麦)
大学院の哲学科。8歳で父親を亡くしていて少しファザコン。
過去には父の友人を好きになっていた。
なんとなく日々虚しく生きている。

石坂史郎(長谷川博己)
珠の近所に住む人。出版業界で編集者として働いている。
地主でお金持ち。近所ではセレブ一家として有名。
子供が自転車に乗る練習に付き合うなどマイホームパパで
待ち受けは娘。

鈴木卓也(菅田将暉)
ゲームデザイナー。
デザイン賞をとるほどの実力がある。
結構鋭い面もあり、女性の嘘を見抜く。
珠と同棲しているが会話はあまりない。

篠原教授(リリー・フランキー)
 大学の教授。学問一筋でやってきた。
 独身で母親と暮らしている。
 学生に対して非情なところもある。
 
篠原の婚約者役(西田尚美)
 篠原の婚約者を演じる。普段は劇団員。
 篠原の母に紹介されて完璧に演じる。

石坂の愛人(篠原ゆき子)
 美人だが激しい性格の持ち主
 路上でキスも平気

石坂の妻(河井青葉)
 美人なセレブ妻。近所の評判もすごく良い。
 ホテルまで女を追いかける激しさも持っている。

管理人(烏丸せつこ)
 珠が暮らすマンションの管理人。
 ゴミ捨てのマナーが悪いので監視カメラを取り付ける。

映画の雰囲気


倦怠期を迎えた夫婦のような雰囲気の
珠と卓也のシーンが前半多いです。

全体的に重苦しくジメっとした感じで
ダークな人間模様を描いた映画です。

テーマは「秘密」「虚しさ」などでしょうか
見終わった後もスッキリしません。

なぜ珠は尾行を始めたのか


篠原教授から一人の人間を追いかけて
人間とは何なのか考察しろとアドバイスをされます。
ただ、対象と接触しないのがルールだと。

そして論文を少し書いて提出すると
篠原教授から褒められ辞められなくなってしまいます。

面白かった点


カメラがずっと珠の目線で追いかけます。
よって見ている方は珠になって
自分が石坂を尾行しているような気分になっていきます。

そして徐々に石坂の色んな秘密が出てきて
石坂の正体を突き止めるような妙な感覚

個人的に思う一番悲惨な登場人物


誰もがうらやむ夫婦円満なセレブ妻だった
石坂の妻も気の毒ですが
やはり一番気の毒なのは篠原教授の妻のフリをした西田尚美演じる女です。

幸せそうな登場人物は誰一人いませんでしたが
一応、みんな表向きは不幸ではないです。

珠や卓也はまだ若いし未来があります。
しかも卓也はアニメーターでは賞を取るほどの実力の持ち主。

石坂家も色々あっても元に戻るでしょう。
夫はちゃんと仕事持ってるし、可愛い娘もいるし。
家持ちでお金持ちならその辺は安泰かと。

篠原教授はネタバレになるので詳しくは言えませんが
世間的には教授です。

しかし西田尚美演じる女は悲惨だと思っています。
劇団に入ってますが観客十何人というショボさです。
しかも、芝居が終わった後、夜一人で自転車で帰ります。

年齢的にも役者として成功するのは不可能に近いでしょう。
アルバイトをするあたりお金もなさそうです。

頼まれて妻の役を引き受けますが
役に入り込みたいという理由で手作り弁当を作ってきます。
この辺り本当にまじめな性格なんでしょう。
教授への態度見てると性格もすごく良さそうなのが
余計に可哀想に思いました。

「二重生活」を見た感想


主役の門脇麦も良かったけど
リリーフランキーと西田尚美が良かったです。

見終わった後はどんよりとした気分になりました。

尾行するのはまだ分かるとしても
その対象者とああなってしまったのは
ちょっとよく分からなかったけど

卓也との同棲に疲れていた珠は
自分も秘密を持って逃げたかったのかなと思いました。

ただ、石坂の「陳腐だな」ってセリフが酷かったけど。

ラストも分からなかったけど
珠にだけ見えた幻と思うのが
個人的に一番しっくりときたのでそう解釈しました。

感想を一言で言うなら


「結局人間とは何かなんて誰にも分らない」です。

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