読書

「きれぎれ」町田康著


きれぎれ (文春文庫)

著者:町田康
 第123回芥川賞受賞作(文藝春秋 2000年)

きれぎれ・内容

金持ちの家に生まれた自称画家の主人公は
働きもせず、親のすねをかじりランパブ通いと
自堕落な生活を送り毎日を過ごしていた

ある日、自分が過去に見下していた
吉原という同級生が画家として
大成功を収めていたことを知ってしまう

しかも自分が以前に見合いをした
美貌の女性と結婚までしていた

母親が亡くなり困窮した主人公は
吉原に金の無心をするのだが・・・

きれぎれ・登場人物

(僕)
親が金持ちの浪費家。働くのが嫌いで働いたことがない。
親に金をせびって生きている。趣味はランパブ通い。
母に事業を譲ってもらえないのを不満に思っている。
工業高校のデザイン科を中退している。

(サトエ)
僕と初めて出会ったときはランパブに勤めていて馬頭の仮装をしていた。
後に僕と結婚して妻となる

(アベ)
僕の友人。どんくさくて気弱な性格

(北田)
僕の友人。アベとプロレスをして穴に落ち亡くなってしまう

(父)
名前は光明。早くに亡くなっている。

(母)
高級車を乗り回し、全身シャネル。経営者。
女で一つで二人の子供を育てる

(姉)
結婚して旦那と暮らしている

(吉原)
昔の同級生。画家となり個展を開いて成功を収めている。要領がよい

(新田富子)
僕のお見合い相手で資産家の令嬢。美人。
のちに吉原と結婚する

(木崎)
僕の友人

(房井邦夫)
僕の友人。陶芸家。

(猿橋馬捨)
僕の友人。売れないパン屋をやっている。

きれぎれ・芥川賞選評

公式サイトでは過去の選評は消されてるみたいでした
以下のサイトを参考にさせていただきました

選評も真っ二つに分かれたようです

高評価

石原慎太郎氏

「今日の社会の様態を表象するような作品がそろそろ現れていい頃と思っていた。その意味で町田氏の受賞はきわめて妥当といえる。」「最初に目にした「くっすん大黒」に私が覚えた違和感と共感半々の印象は決して的はずれのものではなかった。」「それぞれが不気味でおどろおどろしいシークエンスの映画のワイプやオーバラップに似た繋ぎ方は、時間や人間関係を無視し総じて悪夢に似た強いどろどろしたイメイジを造りだし、その技法は未曾有のもので時代の情感を伝えてくる。」

https://prizesworld.com/akutagawa/senpyo/senpyo123.htm

低評価

宮本輝氏

「「きれぎれ」くらい賛否がまっぷたつに分かれた候補作品も珍しいのではと思われる。」「私は終始否定に廻って、受賞を強く推す委員の意見に耳を傾けたが、ついに納得することはできなかった。」「読み初めてから読み終わるまで、ただただ不快感だけがせりあがってきて、途中で投げ捨てたくなる衝動と戦わなければならなかった。」

https://prizesworld.com/akutagawa/senpyo/senpyo123.htm

低評価はかなり辛口です

きれぎれ・感想

完全なるダメ男の物語です。主人公には何の魅力もありません。
他人の成功を羨み、自分の方が才能があるのに
自分が成功できないのは環境や周りの人が悪いからだという考えの持ち主。

こういう人物って現実社会にも
かなりいるような気がします

最初の20ページくらいがすごく読みづらくて
内容があまり入ってきませんでした。
劇団員の人が早口言葉みたいなの練習する
「外郎売り」を読んでるみたいです。

ただテンポの良さだけで読み進めました。
それ以降は割と面白くて結構一気に読んだ感じです。

途中も詩みたいなのが出てきて
普段詩なんて読まないから意味は考えず読み飛ばし

「アルサロ」ってなんだろって思ったら
アルバイト(主婦や学生)が働いてるキャバレーか。
時代を感じますね

ラストの方の木崎とか猿橋のシーンになると
もうホラーです。結構怖かった。

てっきり主人公も・・・と思ったけど
読後は嫌な感じが残ります。

他人の妄想を
勝手にこっそり覗き見してるような気分です

龍安寺の石庭(右)石庭が有名な龍安寺前のページ

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