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もし他人の運命が見えたら・・・『フォルトゥナの瞳』 百田尚樹(著)

孤独にひっそりと生きていた主人公の木山慎一郎。ある日、他人の運命が見えてしまうという特殊能力を持ってしまった。

しかし、その能力を使う事は主人公にとっては・・・。

フォルトゥナの瞳・登場人物

〇木山慎一郎

アラサー。一人暮らしのアパート住まい。

定時制高校を卒業してフリーターをしていたが、ひょんな事から自動車のコーティング向上に勤務する。後に社長の後押しもあり独立して「木山コーティング」を始める。

4歳で両親と2歳の妹を火事で亡くす。足と背中に火傷の痕がある。施設では苛められていた。

〇桐生葵

携帯ショップの店員。木山に声を掛けられ出会う。後に木山と付き合う。

〇遠藤

木山の勤める工場の社長。木山を正社員として雇ってくれる。中卒。仕事に誇りを持っている。寡黙な木山を気に入る。

〇黒川

中年男。木山と同じ能力を持つ。職業は医者。30年くらい見ていて、昔は人を救っていた。

〇金田

木山の先輩。金髪、30代半ば、チンピラ風。仕事の出来る木山に嫉妬して嫌がらせをしてくる。

〇立花美津子

女性事務員。50歳。木山に親切にしてくれる。下町のオバさん風で「ママさん」とみんなから呼ばれている。

〇植松真理子

元事務員。慎一郎の3つ年下。優秀で人気者。慎一郎の気になる存在だったが、突然会社を辞めてしまう。

〇宇津井和幸

フェラーリに乗っている20代の青年。輸入雑貨を扱う会社の社長。真理子を狙っていて後に真理子と付き合うことになる。

〇ユリア

ソープで働く女性。金髪で真理子に似ている。異様に細く、目がうつろ。手には自傷痕がある。真理子本人だと気付くが、ユリアは分からない。

もし自分もフォルトゥナの瞳を持ってしまったら

これ、多分読んだ人のほとんどが考えたのでは、自分ももし他人の死期が分かったら・・・。

当然、しばらくは大混乱で訳が分からないと思います。とうとう自分はおかしくなったのでは?主人公もそうですが、恐らく誰にも言えないと思う。

悶々とした日々を過ごすけど、初期の頃は主人公のように、人助けできる部分は助けて後は見て見ぬふりするしか・・・。

でも人を助けると自分の命が・・・ってなると話は別になってきます。私は多分、苦しいけど見て見ぬふりしかないのかと。

もし選択できるのだとしたら、このような能力はいらないです。

主人公の好きなエピソード

車のコーティングを生業としてる主人公は、自分と葵は不釣り合いだと考えます。

ポルシェに乗る事なんて一生出来ない自分。しかし葵ならポルシェに乗るような男を捕まえられるのではと思います。

もし自分の想像通り、葵が金持ちの恋人とポルシェに乗ってこのガレージにやってきたら、一生懸命に磨いてあげようと決意します。

主人公えらいな。このエピソード好きです。自分の好きだった女性が金持ちの男性とやってきても、嫉妬することなく一生懸命車を磨いてあげようなんて言うのは簡単だけど、私ならモヤモヤしてしまいそうです。

2つ目のエピソード

主人公が葵にメールを送りますが、ですます調では他人行儀すぎて彼女を傷つけるかも。しかし、馴れ馴れしすぎると恋人気取りだと葵に思われるのが怖い。このエピソードも10代の初恋みたいで可愛い。

『フォルトゥナの瞳』を読んだ感想

とにかく主人公が好きです。確かにちょっとウジウジしてますが、本当に純朴で浮ついたところもなく非常に好感持てます。

葵に対する気持ちとかも、読んでて応援したくなりました。

いきなり高価な指輪を購入してプレゼントしようとするところも、結果はともかくドキドキしてしまいました。

バグダッドの死神の話も興味深いです。人間の運命がすでに決まっているのだとしたら、それを変えようとしても、変えようとした事自体がすでに決まっている想定内の出来事。だからどうやっても変わらないのだと。

黒川と主人公の出会いがそうですね。黒川に教えてもらわなかったら主人公はずっと人助けをして、命を縮めていた可能性が高いです。

しかし、それは黒川が主人公の運命を変えてしまった事になり、黒川の命は縮んだのではないか・・・頭グルグルしそうです。

途中から主人公がどうなるのか気になって、一気に読み進みました。他から見たら狂気じみた行動でも、主人公の木山は英雄でした。

最後のどんでん返しも面白かったです。映画化されているので、今度映画も見て見ます。葵役が有村架純さん。イメージピッタリです。

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